エイジングケアに植物オイルを活用する方法–その2 不飽和脂肪酸の偉大な治癒力

植物オイルに含まれる脂肪酸は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2つに分けられます。飽和脂肪酸は大量に摂取すると生活習慣病を引き起こす場合があり、一方で不飽和脂肪酸は物質代謝を通じて、体内で多くの役割を果たします。この不飽和脂肪酸が果たす役割と身体の中での働きを考察します。

エイジングケアに植物オイルを活用する方法–その1 植物オイルの製造方法が与える植物オイルの品質の違い

肌の老化を防ぐ植物オイルの活用法―その3 あなたの皮膚のタイプを知ってケアしよう

目次

不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸の構造

油は、たくさんの小さなパーツが集まってできています。

そのパーツの一つ一つを「脂肪酸」と呼びます。

この脂肪酸には、大きく分けて2つの種類があります。

  • 飽和脂肪酸: ぎっしり詰まった状態の脂肪酸で、常温で固まりやすいのが特徴です。バターやラードにたくさん含まれています。
  • 不飽和脂肪酸: ゆるい構造の脂肪酸で、常温で液体、または柔らかい状態でもあります。オリーブオイルやサラダ油にたくさん含まれています。

からだに与える影響

脂肪酸の種類によって、体の中でどのように使われるのか、そして私たちの体にどんな影響を与えるのかが違ってきます。

  • 飽和脂肪酸: 食べ過ぎると、血液中のコレステロールを増やしてしまう可能性があると言われています。
  • 不飽和脂肪酸: 血液中のコレステロールを減らしたり、心臓病のリスクを下げたりする効果があるといわれています。

不飽和脂肪酸の重要性

「不飽和脂肪酸」は、簡単に言うと、私たちの体の中で大変重要な働きをしている栄養素です。

不飽和脂肪酸は、私たちの体の様々な場所で活躍している「組織ホルモン」というものを作り出すのを助ける働きがあります。

組織ホルモンは、まるで体の中の小さな司令官のように、細胞たちに様々な指示を出す物質です。

組織ホルモンであるプロスタグランディン

その組織ホルモンの代表的なものに「プロスタグランディン」があります。

プロスタグランディンは、体中のほとんどの場所で発見されていて、私たちの体の調子を整えるために、様々な働きをしています。

良い働きをするプロスタグランディンと悪い働きをするプロスタグランディン

プロスタグランディンには、良い働きをするものと、悪い働きをするものがあり、不飽和脂肪酸は、良い働きをするプロスタグランディンを作り出すのをサポートしています。

良い働きをするプロスタグランディン

良い働きをするプロスタグランディンは、以下の働きをします。

  • アレルギーを抑える: 花粉症などのアレルギー症状を軽くしてくれる
  • ホルモンのバランスを整える: ストレスを感じた時や、血糖値をコントロールするのを助ける
  • 神経を落ち着かせる: イライラした気持ちを落ち着かせてくれる
  • 心臓を強くする: 心臓の働きを良くしてくれる
  • 血圧を調整する: 血圧を安定させる
  • 痛みを和らげる: 頭痛や筋肉痛を和らげる
  • 炎症を抑える: 熱が出たり、腫れたりするのを防ぐ
  • 血流を良くする: 体中に酸素や栄養を送り届ける
  • 皮膚の病気、たとえば神経皮膚炎や乾せんに効果がある
  • 免疫系への働きかけ

悪いプロスタグランディンの増加する理由とその影響

動物性の脂肪と、トランス脂肪酸を過度に摂取した場合、「悪い」プロスタグランディンがどんどんつくられます。

「悪い」プロスタグランディンは、多くの症状の進行の原因となります。

たとえば,アレルギー、気管支喘息、高血圧、動脈硬化症、血中脂肪レベルの上昇、血液凝固、血栓生成、リウマチ疾患、痛み、炎症などです。

それぞれの不飽和脂肪酸がもつ特有の性質

オレイン酸(オリーブオイルなど)

  • 心臓、血管を健康に保つ: オレイン酸は、心臓や血管を丈夫にして、スムーズに血液が流れるのを助けてます。まるで、体の中のパイプをキレイにして、水をスムーズに流すような感じです。
  • お肌をツルツルに: オレイン酸は、お肌の潤いを保って、乾燥を防いでくれる働きもあるんだ。お肌に保湿クリームを塗っているような作用があります。
  • 消化を助ける: オレイン酸は、消化液の分泌を促す働きもあります。食べたものがスムーズに消化され、栄養を吸収しやすくなるようにサポートします。

リノール酸(ひまわりオイルなど)

ひまわり油にたくさん含まれているリノール酸は、まるで体の守りの盾のような働きをしてくれます。

  • 免疫力をアップ: 風邪やインフルエンザにかかりにくくしてくれる
  • ホルモンバランスを整える: イライラしたり、気持ちが落ち込んだりしにくくしてくれる
  • お肌を健康に: お肌のターンオーバーを促し、ツヤのある肌にしてくれる
  • 心臓や血管を健康に: 心臓病や高血圧になるのを防いでくれる

α-リノレン酸 (亜麻仁オイルなど)

亜麻仁油にたくさん含まれているα-リノレン酸は、体の痛みを和らげたり、炎症を抑えたりする働きがあります。

  • 痛みを和らげる: 頭痛や関節痛を和らげてくれる
  • 炎症を抑える: アレルギー症状や皮膚炎を改善してくれる
  • 血液をサラサラにする: 血栓ができにくくしてくれる
  • 細胞の修復を助ける: 体の傷ついた部分を修復してくれる

γ-リノレン酸(月見草油など)

月見草油にたくさん含まれているγ-リノレン酸は、心のバランスを整えたり、肌のトラブルを改善したりする働きがあります。

  • 心のバランスを整える: ストレスを軽減し、リラックス効果をもたらす
  • 皮膚のトラブルを改善する: アトピー性皮膚炎や乾燥肌を改善する

まとめ

個々の不飽和脂肪酸は、それぞれ得意な働きがあり、私たちの体を健康に保つために大切な栄養素です。

つぎの記事では、高温圧搾されない、常温搾りで得られる植物オイルを具体的に紹介します。

バラエティに富み、私達の身体の健康と美容にすばらしい作用をもたらすオイルをぜひ、活用しましょう。

当サロンでは、高品質な植物オイルで精油を希釈し、施術をおこないます。
その方の肌や健康状態にあわせたオイルと精油を使用していきます。 植物の力を凝縮したオイルと精油のパワーを感じていただけるとうれしいです。

エイジングケアに植物オイルを活用する方法–その1 植物オイルの製造方法が与える植物オイルの品質の違い

  • 参照文献
  • ルート・フォン・ブラウンシュヴアイク著 手塚千史訳 「アロマテラピーのベースオイル あなたを磨き輝かす30種類」フレグランスジャーナル社
  • 雑誌 セラピスト 2024年6月 Vol. 133 第 1 特集 不調を改善! 施術と食事に活きる正しい知識 セラピストはオイルをこう使う!
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