精油の香りが海馬や睡眠に与える良い影響 論文からのまとめ 1

日本人の睡眠不足は深刻だといわれています。経済開発協力機構の統計では先進国の中で日本の睡眠時間が最低であるという結果もあります。なぜ、日本人の睡眠時間が少なくなっているのか、そしてどうすれば改善されるのか。その対策の一つとして「香り」を使うことによる効果が研究されています。海馬と睡眠、そして香りの関係の研究を紹介します。

目次

睡眠不足とは

日本では、睡眠不足が深刻な問題とされています。経済協力開発機構(OECD)の統計によると、先進国の中で日本の睡眠時間は最も短いという結果も出ています。なぜ日本人の睡眠時間が短いのか、そしてどうすれば改善できるのかが研究されています。その対策の一つとして「香り」を使う方法が注目されています。今回は、海馬と睡眠、香りの関係についての研究を紹介します。

適切な睡眠を取るための指針の改定を議論する厚生労働省の検討会は21日、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」を取りまとめました。

小学生は9〜12時間、中高生は8〜10時間、成人は6時間以上を目安に睡眠時間を確保するよう推奨しました。

つまり、成人の場合6時間未満の睡眠は睡眠不足ということになります。

なぜ日本人に睡眠不足が多いのか

まず、労働時間や通勤時間が長いことがあげられます。現在では残業をなるべく無くすように企業などは働きかけていますが、職種によってはやむ得ない場合もあります。

また、日本社会特有の文化、休むことや睡眠を「怠けている」と捉えることが多く、忙しいスケジュールの中では睡眠は後回しにされる傾向があります。

女性の睡眠不足は深刻

特に女性の睡眠不足は深刻なようです。日中の家事や家事、子育てや介護など女性が一手に引き受ける場合が多いため、そのストレスからくるものもあるようですが、それとともに更年期の女性にはある特有の事情があります。

それは 「ホルモンバランスのみだれ」が影響しています。

睡眠不足の男女差があるのは月経にかかわるホルモンが関係していることがわかってきました。

プロゲステロンという女性ホルモンは、睡眠の調節を助ける働きがあるが、月経周期の後半に低下することが多いので、影響は大きくなっています。

日中の忙しさに加え、月経周期によるホルモンの変化があり、それがストレスとなる、という悪循環でゆっくり眠ることができない、というのは本当に一体、どうすればいいの、となりますね。

海馬と睡眠の関係

海馬は、記憶の固定、整理と統合の役割をしています。これらの役割は主に睡眠時におこなわれるため、睡眠時間が少ないとこれらの働きが損なわれてしまいます。

十分な睡眠がとれないと、この海馬のはたらきが低下し、認知機能の低下を引き起します。

ストレスが重なると、たとえば物忘れや、新しく学ぶことも難しくなります。

睡眠は、私たちが日々新しいことを学び、それを定着させるためには必要なことなのです。

精油によって睡眠の質を改善することができるのか

アロマセラピーが現在「補完・代替医療」の一つとして様々な分野で取り上げられています。

睡眠に関する様々な研究などでは、おもに真正ラベンダー、ダマスクローズ、スイートオレンジ、カモミールおよびベルガモット精油を単体またはブレンドして吸入したり、アロマトリートメントに使用することで睡眠の質に好影響を与えていることがわかってきています。

この研究では動物実験で、ベルガモットと真正ラベンダーとで実験をおこなっています。

ベルガモット精油の作用として抗菌、抗炎症、抗腫瘍、抗不安、神経保護、鎮痛および抗

不整脈が基礎研究で示されています。ベルガモットにはとくに、エステル類を多く含むため鎮静作用、誘眠作用があります。

ベルガモット精油に期待できること

結果として、ラベンダー精油よりもベルガモット精油を使った結果の、睡眠導入効果が示されています。

驚くことに、これは臨床でも使用される睡眠薬ベンゾジアゼピン系プロチゾラムと比較すると、ベルガモット精油を使用したときの睡眠に入る時間、総睡眠時間とほぼ同じだったことです。

また、万が一、既存薬のプロチゾラムとベルガモット精油を併用しても有害な反応はみられなかったとのことです。

まとめ

睡眠不足は、心身に大きな影響をあたえることが知られています。よく、「寝溜め」をすることで、睡眠不足を解消することはできないようです。つまり、毎日少しずつでも睡眠時間を増やす工夫が必要になります。

睡眠薬を処方されるほどではないけれど、もっと気軽に日常的に使えるもので睡眠不足の解消をできればこんないいことはないですね。

今回、真正ラベンダーとベルガモット精油をつかって、入眠時間の早さやそれに伴う総睡眠時間の増加ができないかという実験がおこなわれました。

結果として、ベルガモット精油には既存薬とおなじような作用があることが示されました。

今回はベルガモットとラベンダーが使用されたましたが、誘眠作用がある精油は、たとえば、イランイラン、カモマイル・ローマン、プチグレンなどがあります。おもにエステル類を含む精油にこのような作用があります。

様々な香りを試してみることで、飽きることなく寝入りが愉しくなるといいですね。

  • 参照文献
  • 村田雄介 精油の香りが海馬と睡眠にもたらす好影響 におい・かおり環境学会誌 52巻2号 令和3年




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