アロマオイルを使った足浴は、脚への温浴効果とともにアロマオイルにふくまれる香りでよりリラックスできます。温浴効果は血管を拡張させ、血行を良くすることでそれに伴って流れるリンパの流れも促進されます。アロマオイルにふくまれる浮腫軽減効果も期待できるので、ぜひ冷房で冷えきった脚を温めてみませんか。
むくみの原因
むくみ、いわゆる浮腫(ふしゅ)は細胞の間の液(細胞間液)が異常に増加した状態です。
様々な要因で起こるむくみですが、とくに心機能や腎機能の低下、低栄養、運動不足などの要因があげられます。また、長時間の立ち仕事や座り仕事でもおこりうるものです。
病的なものでなくても、年齢を重ねるごとに下肢の静脈から血液が戻りにくくなり、それとともにリンパ液も停滞します。その結果、脚がむくみ腫れ上がったような状態になります。
むくみを改善するには
脚のむくみが、脚の静脈やリンパのもどりが悪くなる原因として筋力の低下があげられます。
そしてそれを補うため、着圧ソックスを着用することも効果的です。
これは日中、家事や座り仕事、立ち仕事をするときにはとても心地よいものです。私も普段の生活ではよく利用します。
ただ、このような着圧ソックスは肌が締めつけられるようなきつさを感じることがあります。夏は暑く、蒸れるようなこともあります。
むくみの測定
むくみが軽減されたかどうかを測定する方法として、「下肢周径法」があります。(*1)(*2)
測定部位を、足浴前後で測定し、比較する方法です。
リラックスできるアロマオイル入り足浴
足浴は部分浴であり、手軽におこなうことができます。そして、アロマオイルを加えることで、その香り効果で副交感神経が優位になり、リラックスできることがわかっています。(*1)
アロマオイルを使った足浴の方法(*) 実際にやってみました。
用意するもの
足浴用の専用容器 これはネットでも販売されています。普通のバケツより両足の足裏がべったりと容器底につけられるので、やはり専用容器がよいです。
たらいなどでも代用できそうですが、深さが足首まであるもののほうがしっかりと温まりますし、お湯がこぼれなくてすみます。
湯温度 個人差はありますが、だいたい40℃から41℃くらいが適温のようです。
いまの季節(夏)は、温度は下がりにくいようで、当初の41℃から7、8分経っても39℃くらいを保っています。人が温度に慣れてしまうとあまり熱くは感じなくなります。
したがって、ぬるくなったな、と思った時点で終了してもよいかもしれません。膝からタオルをかけるとより保温効果がのぞめます。
おすすめのアロマオイル
皮膚刺激のすくない万能アロマオイル | 真正ラベンダー |
血行をうながす(うっ滞除去作用) | サイプレス、ジュニパーベリー、ティトリー |
静脈強壮作用 | ゼラニウム |
アロマオイルの濃度
足浴では、アロマオイルは乳化剤に適量(2%)いれて、かきまぜてからお湯にいれるようにします。(*1)
直接お湯にアロマオイルをいれると、オイルはお湯には溶けないので原液のまま浮いた状態になってしまいます。
その浮いたオイルが直接足に付着すると皮膚刺激などが起こる恐れがありますので、かならず乳化剤でまぜてからお湯にいれましょう。
例)ケンソーバスオイル5ccにアロマオイルを2滴(2%濃度)いれ、足浴のお湯にいれる。(*1)
その際、お湯の中で分離したような状態になりますが、しばらくすると全体に混ざり白濁していきます。その状態で足をいれます。
足浴の時間
参照文献1)の場合の対象者は若い成人女性で、約20分間おこなわれていましたが、参照文献2)の場合は介護老人福祉施設入所者であり、認知症を患っている方もいるため約10分間を週3回おこなわれました。通常の成人であれば、20分くらいが妥当かと思われます。
まとめ
むくみ測定では、実際に下肢まわりは縮小されたことが示されました。(*1)(*2)
(*1)では、下肢にアロマオイルを使ったマッサージも施しています。
これらの結果から脚のむくみが実際に軽減されたということになります。また、これとは別に呼吸数や心拍数、血圧などの測定もおこなわれましたが、こちらは大きな変化はなかったということです。
参照文献を参考にして、また私自身おこなってみたところ、室温は28℃くらいであっても足はお湯の中でとても心地よく、またアロマオイルの香りがふんわりと香ってくることもあり、リラックスできました。
やはり、足が冷えていたのか、最初の41℃のお湯は熱いとは感じられませんでした。また、終わったあとどっと汗がでてきました。
参照文献には、足浴をすることで、うとうととする方や、高齢者で認知症を患っている方などは、足浴によって表情がやわらいだり、感情がおだやかになられるような結果もみられました。
アロマオイルを使ったことでは、なにより香りの効果があることと、抗菌効果、抗真菌効果があるアロマオイルを使用することで皮膚乾燥の軽減、白癬治療の有効性が認められる研究もあるようです。(3*)
むくみ効果を期待する場合は、やはり数回に分けておこなうことが効果的のようです(*2)。
暑い時期はシャワーですませる方も足浴ならアロマオイルの香りをたのしみつつ、むくみ対策の一つとして取り入れることもできますね。
- 参照文献
- 1)松本明美、藤田三恵 アロマオイルを付加した足浴とマッサージによる浮腫軽減及びリラクゼーションの効果について 看護実践学会誌(Journal of Society of Nursing Practice) ,Vol. 26, No. 1, pp. 64-72,2014
- 2)小野光美、原祥子、沖中由美 下肢に浮腫がある介護老人福祉施設入所者に対するアロマオイルを加えた足浴の効果 島根大学医学部紀要、第33巻、41-48頁、2010年12月
- 3) 井上重治 精油の抗白癬菌活性 日本アロマセラピー学会誌 5(2): 50, 2006
アロマトリートメントでも脚のむくみを軽減する効果も期待できます。足浴とあわせてぜひ、試してみてください。
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