不安とは、未知の状況や不確実な出来事に対して抱く感情です。試験や面接などの前には不安にかられることでせっかく積み重ねた努力が発揮できない場合があります。そんなとき気持ちを落ち着かせ実力を発揮し結果を出すために、香りを使えないか、知見を探ってみました。

不安を引き起こす要因
事故や災害などの当事者ではなくても、現地の大変な状況、あるいは被害にあわれた方々の報道、ネットからの拡散に触れることが圧倒的に多いのが現代です。
そのような自分ではどうにもならない状況を見続けることで、気持ちが落ちこむことがあります。
不安は悪いものなのか
不安というのは、そのような未知の状況や不確実な出来事に対して抱く感情です。
ただ、この不安な気持ちがあることで危険なものへは近づかない、自分に不利益なものを避けるなど、身を守るという大切な役割もあります。
まったく不安を抱かない場合、危険な行動をおこなってしまう可能性があります。
不安はどこから生まれてくるのか
不安は感情のひとつですが、感情は脳からうみだされています。
感情という身体反応をうみだす物質がつくられて脳内に放出され、不安、怒り、よろこび、悲しみ及び恐怖を感じます。
これらの感情は単に人生を豊かにするだけでなく、生き残るために作り出したシグナルです。したがって、感情はからだに大きく影響します。
非常に大きな不安によって身体に負担になるようなら、そこから離れることは自分を守るために必要です。
不安をやわらげるメリット
たとえば、試験や面接などの前には不安にかられることで、せっかく積み重ねた努力が失敗しまう可能性もあります。
このような場合、ひとつは、深呼吸をすることが有効といわれています。
それに加えて、植物の中には不安を和らげる作用のある香りを持つものがあることがいくつかの知見からわかっています。
ここ一番というとき不安を乗り越えて結果を出すためにも使えるものは使いたいですね。
どのような香りが不安をやわらげる作用をもつのか
国立環境研究所の梅津豊司氏は、マウスの実験でラベンダーとローズには抗不安作用があることを見いだしています。
この抗不安作用は、ほかにもイランイランやカモミールにもあるといわれていましたが、この実験では認められませんでした。(*5)
また、鹿児島大学の柏木英樹氏の研究ではラベンダーの主成分である「リナロールの香り」が不安障害の治療薬と同じ程度の抗不安効果を示すことを明らかにしています。(*4)
ただし、嗅覚は「慣れやすく(嗅覚順応)」、その効果が薄れてしまいます。
また、病的な不安に襲われる場合はやはり病院を受診し、薬を処方してもらうことが必要になります。
香りを選ぶ際にはなにを基準にしたらいいのでしょうか
香りはとても主観的なもので、それぞれの感じ方はそのひとの数だけあります。
また体調や精神的な状態によっても変わるものです。
不安をやわらげるための香りは、すでに研究結果で明らかになった「ラベンダー」や「ローズ」はもとより、そのほかの精油の香りにも、私たちの精神的、肉体的に作用を及ぼす成分がたくさんあります。
まずは、自分の好きな香りを見つけてみることをおすすめします。精油はその採取する植物や採取する部位によって、その香りはとてもバラエティに富んでいます。
そして精油の一滴に何十種類の化学成分がふくまれています。まだ解明されていない成分もあります。
たとえば、日常的に嗅ぐと気持ちが落ち着くな、と思う精油を2,3本用意します。
家事や勉強の合間、就寝前などに一滴ティッシュにたらして、ゆっくりと吸い込んでみてください。
香りはすぐ慣れてしまうので、そんなに長く嗅ぐことはおすすめしませんが、最初の吸い込んだ感覚やイメージをポジティブなものと結びつけてみてください。
不安を感じる場面で、その同じ香りを手元に持ってハンカチなどにしみ込ませ、吸い込むことで、自分の頑張っていたことなど思い出し、落ち着くことができるのではないでしょうか
精油の取り扱いは慎重におこなってください。火気は厳禁です。また精油を肌に直接塗ったり、飲んだりすることのないよう気をつけて利用しましょう。
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【参照】 1.「植物と香りのサイエンス」塩田清二、竹ノ谷文子(NHK出版新書)
2.「香り」はなぜ脳に効くのか 塩田清二(NHK出版新書
3. 香りの不安・ストレスへ及ぼす作用に関する研究方法の文献調査 前田蓮歌、張 文平、塚原雅貴、及川弘崇、藤川隆彦 Japan Journal Aromatherapy Vol. 25, No. 1, 2024
4. 柏木英樹「リナロール香気が不安を軽減する脳の仕組み」「におい・かおり環境学会」2018, 52巻2号 112-117
5. 梅津豊司「植物精油の中枢作用」Aroma Research No. 5, (Vol. 2/ No.1, 2001)
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