温泉に浸かると、心も体も解きほぐされるような感覚になりますよね。その温泉の癒し効果に、香りが加わると、さらに深いリラックスが得られることをご存じでしょうか? 季節の変わり目で心とからだが緊張しがちないま、温泉で温まり、ちょっとほっとしませんか? 今回は「温泉」と「香り」と「癒し」の関係について、科学的な視点と癒しの観点から、じっくりと探っていきたいと思います。
日本の温泉の歴史
日本には数多くの温泉が存在し、その歴史は古く、約1800年前に発見された紀伊半島の湯ノ峰温泉は、日本最古の温泉のひとつとして知られています。
特に「つぼ湯」は世界遺産に登録されており、熊野詣の巡礼者が疲れを癒したとされています。
現在、日本全国には3,000以上の温泉地があり、源泉の数は27,000以上にのぼります。
各地で異なる泉質を持ち、さまざまな健康効果をもたらしてくれます。
温泉がもたらす癒しのメカニズム
まず、温泉の癒し効果のメカニズムについてお話ししましょう。
温泉には、
- 温熱効果:温かい湯に浸かることで血流が促進され、筋肉がほぐれ、自律神経が整います。
- 浮力効果:水中では体が軽くなり、筋肉や関節への負担が減少します。
- 静水圧効果:水圧がかかることで、全身の血液やリンパの流れがスムーズになり、むくみの改善にもつながります。
- 成分効果:温泉のミネラル成分が皮膚や呼吸を通じて体に取り込まれ、健康に良い影響を与えます。
これらの効果によって、温泉に入ると自然と心が落ち着き、ストレスが和らぐのです。

代表的な温泉地とそのお湯の特徴
日本にはさまざまな温泉地があり、それぞれの泉質によって異なる効能を持っています。
- 草津温泉(群馬県):強酸性の硫黄泉で殺菌効果が高く、美肌効果も期待できる。(肌質によっては刺激を感じる人もいますので、ご注意を)
- 別府温泉(大分県):鉄分を多く含む温泉もあり、「金気臭」と呼ばれる独特の香りがある。
- 箱根温泉(神奈川県):種類豊富な泉質が楽しめ、硫黄成分や重炭酸を含む湯もある。
- 白浜温泉(和歌山県):海に近い温泉で塩分を含み、保温効果が高い。
ヨーロッパと日本の入浴方法の違い
日本の温泉文化は、ヨーロッパのスパ文化とは異なります。
- 日本:湯船にじっくり浸かることでリラックスを重視する。
- ヨーロッパ:ミネラル分を含む湯を飲んだり、泥パックやサウナと組み合わせて療養目的で利用する。
このように、入浴スタイルの違いが温泉の楽しみ方にも反映されています。
温泉の香り成分について
温泉の香りは、温泉ごとに個性があり、その成分によって異なります。
- 硫化水素臭(ゆで卵のような匂い):草津温泉などの硫黄泉に多く含まれる。
- 金気臭(鉄っぽい匂い):別府鉄輪温泉など鉄分を多く含む温泉で感じられる。
2004年に行われた温泉の香気成分の調査では、箱根、白浜、草津温泉の源泉水を採取・分析した結果、
- エステル類
- 酸類
- アルコール類
- アルデヒド類
- エーテル類
- ケトン類
- ラクトン類
- フェノール類
などの香気成分が検出されました。
特に、セスキテルペン類、セスキテルペンアルコール類、ジテルペン類、ジテルペンアルコール類といった成分は、植物由来の精油にも含まれています。
- セスキテルペン類:ミルラ、シダーウッド、ジャーマンカモミール、ジンジャーなどに含まれる。
- 効能:抗炎症作用、神経細胞の過剰刺激の緩和、抗がん作用、抗ウイルス作用。
これらの成分は、温泉地周辺の豊かな森林などの自然の香気成分が長い年月をかけて温泉水中に抽出されたものと考えられています。
まとめ:温泉と香りを上手に取り入れて、日常に癒しを
みなさんは、お気に入りの温泉はありますか?
私の住んでいるここ愛知県江南市は、愛知県内だけでなく、岐阜県にも近いので下呂温泉や飛騨、高山などへのアクセスが良いです。
日本人には、その地形故に温泉がとても身近で、日帰りでも天然温泉にいけるところが多いですね。
現代の癒し、温泉にはぜひその香りとともに楽しむことで、日々のストレスを解消しましょう。
次回温泉に行くときは、ぜひ、
- 温泉そのものの香りを楽しむ
- 周囲の自然の香りに意識を向ける
- お好みのアロマオイルを持参して、香りをプラスする
といった工夫をしてみるのもおすすめです。
とくに、アロマを持参するのは、温泉地へいく場合だけではなく、旅行に持っていくことをぜひ、おすすめします。
原液をもっていくこともいいですが、ホホバオイルなどで希釈して、乾燥したときに手や顔に塗布すると香りも楽しみながら、旅の疲れを少し癒してくれます。
自分へのご褒美に、温泉旅行はいかがですか

- 参照
「香り」の文化と癒し–いのる、くらす、あそぶ。古代から現代まで 渡邉映理著 フレグランスジャーナル社

コメント